大雪

先週、今週と雪がすごい。20年に1度の大雪だそうだ。
東京に住んで7年近くになるが、都内でここまでの大雪は初めて経験する。
ツイッター上では、この珍しい大雪にお祭り騒ぎ的な雰囲気も感じられるが、自分としては、そのせいで大事な予定が何件かポシャっているので、久しぶりに「雪って嫌だな」と思った。昔嫌いだった同級生に再会して「ああ、やっぱりオレ、こいつのこと好きになれないな」と再確認するような感覚だ。
 
子供の頃は、庭を駆け回る犬のように、雪と触れ合うのが楽しかった。
友達同士で雪ダルマを作ったり、カマクラを作ったり、雪合戦をしたり、雪合戦で使う雪玉の中に石が入っていて学活の時間に問題になったり、学活の時間に高村さんが泣き出したり、先生が教務室に行ったっきり出てこなくなったり、と、雪にまつわる思い出は山のようにある。後半以外は良い思い出だ。
 
しかし、物心ついてからは雪が嫌いになった。何より、雪かきが死ぬほど嫌いだった。
 
基本的に、雪かきというのは楽しい要素が一つもない。ただひたすら苦行だ。赤毛のアンですら楽しい要素を見つけるのは困難だと思う。
私の実家は、車3台分の屋根付き駐車場があり、無駄にスペースが広い。少なくとも、その駐車場から家の前の道路までを除雪しなくてはいけないため、途方もなく雪かきが大変なのだ。雪をかいてるうちに、既にかいたところに雪が降り積もり、雪をかいてもかいても、また元の木阿弥になる。地面に穴を掘って、掘った土でその穴を埋め、さらに地面を掘って穴を埋め、を繰り返すというナチの拷問に限りなく近い。よく精神に異常をきたさなかったな、と思う。
 
今回の都内の大雪のように、一過性のものだったら我慢できるのかもしれないが、毎週のように雪かきをする身にもなってほしい。「可哀想に、こんなに冷たくなって、ほら、手を貸してごらん」と言って、自分のセーターの中に私の手を誘導して温めてくれる、石田ゆりこ似の人妻でも傍にいないと、とてもじゃないがやってられない。いや、むしろそれはしてほしいので、本末転倒になってしまうか。
 
雪かきもそうなのだが、実は、それとは別に雪が嫌いになった理由もある。大学時代まで遡ることになるが、それはまた別の機会に書くことにする。
 
最後に、今回の雪で、川口春奈の「JR SKISKI」ポスターのパロネタが、ツイッターで大量につぶやかれているが、なんというか、あれを言ったら負け感というか、火中の栗を拾わされる感がして、「ちょっと、もう触れないな」となっている。こういう類のものは、サバ並に足が早いな、と思う。そういえば、雪が降りすぎたため、JR東日本のサイトから、あのキャッチコピーも消えたらしい。