パブリックビューイング

このところ色々と忙しかったため、前回のブログ更新から大分間が空いてしまった。しかし、これと言って大きなトピックスもなく、相も変らず、あるがままの心で生きられぬ弱さを、誰かのせいにして過ごしている。

で、その間に、世間ではワールドカップが開幕し、今も日本の裏側では、各国の代表が、国民の期待を背に、『負けられない戦い』を繰り広げている。戦いに臨む選手たちのプレッシャーたるや、しんかい2000でも耐えられないほど凄いものだろうが、その重圧に押しつぶされないよう頑張ってほしいと思う。私も、にわかファンなりに、陰ながら応援している。

試合の内容とは直接関係ないのだが、今回のワールドカップから導入された『バニシング・スプレー』と呼ばれる、フリーキック時の壁の立ち位置を示すために使われるスプレーに少々興味を惹かれた。塗料が特殊なもので、書いてから1分後に消えるらしい。自称路上アーティストの方々も、あのスプレーを使って壁にアートを描けばいいのに、と思う。
4年後のロシア大会では、さらなる近未来グッズが現れることを密かに期待している。今回のワールドカップは、開催国がブラジルということで、日本と大分時差があり、通勤時間とかぶる時間帯に放送されているが、それでも観ている人は多いようだ。早朝にも関わらず、いわいるパブリックビューイング(以下、PV)というやつが各地で開催されている。

何か大きなイベントがある度に、よく耳にするPV。そもそもPVとは何ぞや、ということで調べてみたところ、明確な定義は無いようだが、ウィキで調べてみると(大学生はレポートでウィキ使ったらダメだよ)、『スポーツ競技において、スタジアムや街頭などにある大型の映像装置を利用して観戦を行うイベントのこと』と書かれていた。ということは、古くは街頭テレビで力道山の空手チョップに沸いていた人たちも、PVに含まれるのだろうか。ただ、あれは家にテレビが無い前提だから、若干違うかもしれない。

とはいっても、元来、日本人というのは、PVが好きな人種だと思う。PVの目的というのは、『そこにいる人たちと皆で一体感を味わいたい』とか、そんなところが主だろう。一体感。なんていうんですか一体感。
『一体感』という言葉に虫唾が走る人も中にはいるだろうが、私はどちらかというと肯定派だ。例えば、ライブなどで、その曲お決まりのフリをするのも嫌いじゃないし、同じ色のサイリウムを振ったりするのも案外楽しい。喜びを他の誰かと分かち合うことは素敵なことだし、それだけが世の中を熱くさせる。ただ、「それでは~、最後に、隣の人と手を繋いでください!」みたいな強要させるやつはダメだけど。

海外の人から言わせると、ライブで客が全員同じ動きをしているのは、少し不気味に映ることもあるらしい。向こうの人は、好きな曲がかかったら自分の好きなように歌い、踊る。そして、休みたい、と思ったら適当にトイレに行く。日本人ほど一体感というもの拘っていないように思える。


皆で一緒になって何かを観るという意味では、よくVTRメインのバラエティなんかで、スタジオトークは殆どせずに、ワイプで演者のリアクションだけが映るという番組があるが、あれも一種のPV感を演出していると言える。この演出が嫌いな人もいるだろうが、主流になっているということは、それだけ好きな人も多いのだろう。

PVというと、最近、渋谷に若者が集まり、道行く人を巻き込んで騒ぐ迷惑行為が、何かと問題になっているが、あの人たちは騒ぐこと自体が目的になっているため、一般的なPVとは意味合いが違う。サッカーの応援でなくても、御柱祭りだろうが、おむすび転がし選手権だろうが(そんなものは無いが)、何でもいいわけだ。騒ぐための大義名分が欲しいというだけ。騒ぎに巻き込まれた人はもちろんだが、心からサッカーが好きな人にとっても不快極まりないだろうな、と思う。実際に、うちの職場のサッカーフリークの方も「あの人たちをサッカーファンと認めたくない」的なことを言っていたし。

そういう訳で、渋谷はちょっと苦手~、な私は、残りの試合、部屋でPV(プライベートビューイング)しながら応援しようと思う。ガンバレ日本。

さて、ちびっこの皆は何曲見つけられたかな?