ラジオ投稿記~爆笑問題カーボーイ編(3)~

ラジオ投稿記~STVラジオ編~
ラジオ投稿記~コサキンDEワァオ!編~
ラジオ投稿記~爆笑問題カーボーイ編(1)~
ラジオ投稿記~爆笑問題カーボーイ編(2)~

からの続き。 


まず、自分自身の話を少し。

ガールのコーナーで読まれるようになったのと時期を同じくして、ラジオ関係のサイトで知り合った女性(以下、Aさん)とメール友達になった。当時、私は高校生で、Aさんは自分より年上のOL。お互いに住んでいる地域が離れていたので、コミュニケーションの手段はメールのみだったが、精神年齢の低い男子高校生の自分からしたら、大人のお姉さんとメールをするのは凄くドキドキしたし、そんな人とラジオの話ができるのはとても楽しかった。もちろん、カーボーイの話もした。

高校生の男子というのは、往々にして恋に落ちるスピードが速い。しかも私の場合は、かなり童貞をこじらせていたので、色々と自分の中で妄想を膨らませすぎた結果、会ったこともなければ電話すらしたこともないAさんに対して、無謀にもメールでの告白を決行した。そのときのメールの文面はハッキリとは覚えていないが、「好きって言ったら笑いますか?」といった、童貞ラブレターコンテストがあったら大賞を狙えそうな文章を延々と書き連ねた記憶がある。多分、今読んだら1時間ぐらいはジタバタできると思う。

で、当然のごとくフラれた。そうなることは自分でも薄々気付いていたので、「まぁ、仕方ないよな」と早々に心の整理はつけたつもりだったが、どうしても自分の胸の中だけで留めておくことができなかったので、告白したことをカーボーイに投稿することにした。当時の自分は、ラジオ投稿を"何を叫んでもいい井戸"のように考えており、ラジオに投稿さえすれば何か自分の中で救われると思い込んでいたふしがあった。

ただ、投稿したといっても、あくまで本チャンのガールネタのついでとして書いたものだった。その上、どうせ読まれないだろうと高を括り、「BGM:尾崎豊『I love you』」と文頭につけてみたり、面白いことを一切入れずにに事実を淡々と述べるなど、ネタというより、単なる独白みたいな文章を送った。

こういうリスナーのオナニーみたいな文章も悪ノリで読むタイプの番組だということを、このとき完全に失念しており、結果として、童貞が井戸に向かって叫んだ言葉は、ラジオを通して全国のカーボーイリスナーの耳に届くことになった(ちゃんとBGM付きで)。

この独白文が読まれてからというもの、Aさんからはパッタリとメールが来なくなった。待つのに耐え切れず、こちらからメールでおそるおそる聞いてみると、1行だけ「またネタにされるといけないからね」という返事が来て、そのメールを最後に、Aさんから二度と連絡が来ることはなかった。

以前、NHKの「ハガキ職人のウタゲ」というラジオ番組に出させて頂いた際にもこの話はしたのだが、今考えても本当にイタいやつだったなぁ、と思う。「イタいやつだったなぁ」と書くと、まるで今現在は直っているかのように思えるが、ごく稀に「ああ...送るんじゃなかった...」と後悔するような実話ネタを送っては不採用になってホッと胸を撫で下ろす、といったことを繰り返しているので、根っこの部分では当時とたいして変わってない気もする。

番組の話に戻る。

この一件で、ネタの中にBGMを流してもらえるということが分かり、おのずとBGMを使うネタが増えていった。FMの音楽番組などでリクエストは1曲も読まれたことはないが、カーボーイではネタを通して色々と曲をかけてもらった。もちろん、爆笑問題の二人が知らない曲はかからないと思っていたので、選曲は古めだったけど。私の音楽の引き出しだけでは限界があったので、当時メル友だった伊集院系の投稿者でクソムシさんという方に「こういう状況のときに流す曲ってどういうのが合いますかね?」と相談に乗ってもらったりもした。BGMを使うネタは私の専売特許みたいな感じになっていたらしく、私以外が書いたガールのネタでBGMが使われることは一度もなかった。ただ、BGMを使うのはドーピングにも似た感覚があり、他の投稿者に対して後ろめたいという気持ちがあったのか、できるだけBGMを使わないネタも書くように心がけていた。

当時は、JR時刻表マニアさんがカーボーイでの採用数を集計するサイトを運営しており、そこでガールのポイントも合わせて集計していた。あるとき、私の合計ガールポイントが1000ガールに達したので、(前回のラジオ投稿記で取り上げた弟子のコーナーではないが) 何かのネタのついでに「1000ガールを超えたので、名目上、田中さんの弟子にして頂けませんか?」と頼んでみた。すると田中さんから「ああ、別にいいよ」と軽い感じでOKをもらえたので、一応、私が田中さんの4番目の弟子ということになっている。ちなみに、ミセスチルドレン(現タキシードは風に舞う)さんも同じように1000ガールを超えて、私と同じく弟子になることを番組内で所望したので、5番目の弟子となった。それ以降は、私の記憶が確かなら弟子希望者はいなかったはず。ちなみに、弟子になったからといって、それで何か得をしたことは一度もない。

この頃のカーボーイはというと、ザ・ガールのコーナー以外に、田中さんの悪行をリスナーの視点で報告する「今週の悪田中」、太田さんが適当に思いついた言葉の意味を辞書風に考える「新明解太田辞典」、身の回りにある300:29:1(ハインリッヒの法則)の事柄を考える「ハインリッヒの法則」、そして今も現役バリバリの「CD田中」などがあった。自分が投稿していた時期というのもあるが、この頃のコーナーのラインナップはとても好きだった。

"全盛期"というと語弊があるが、CD田中が一番にぎわっていたのも、この頃だったと思う。というのも、当時はオングストロームさんというCD田中専属の投稿者さんがいて(大変お世話になりました)、その方がCD田中のファンサイトを運営していた。しかも、歌詞をサイトに載せるということで、わざわざJASRACにお金を払っていたので、CD田中にかける情熱がどれほどのものかお分かり頂けるだろう。CD田中に憑りつかれている投稿者の方は今でも多いが、このコーナーは投稿者を熱くさせるSASUKE的な魅力があるのかもしれない。
ちなみに、田中さんがCD田中のネタで笑いすぎて宛先が読めず、代わりに太田さんが宛先を読んだのもこの頃である。

「今週の悪田中」も好きだった。その週に放送された爆笑問題の出演番組をチェックし「これは悪い田中だなぁ~」と思ったことをリスナーから報告してもらう田中さんイジりのコーナーなのだが、ここに送られてくる報告メールの観察力と悪意の含ませ方がホントに絶妙だった。報告を受けた田中さんが、「いやいやいや!オレ、そんなこと思ってないから!」と否定して、そこからさらに番組の裏話へとトークが広がる流れも好きだった。後に「今週の良い田中」「今週の普通の田中」が生まれ、最終的には「今週の田中」というコーナーに統合されるのだが、報告系のコーナーとしては今でも一番面白いと思っている。
それにしても、田中さんの言動をチェックするコーナー、多いな。

で、そんなコーナーの隆盛に反して、オープニングのフリートークは、聴いていて「キツイなぁ」と思うことが結構あった。太田さんが田中さんを罵倒するのは、今でも日常茶飯事的に行われているが、当時はそれが度を超えており、本気で田中さんの人格を否定をするような場面も見られた(まぁ、本気なんだろうけど)。田中さんが自分の話をさせてもらえない、といったことも多かったので、今の、田中さん主導で話が進んでいく形式に慣れている若いリスナーは、当時の放送を聴いたら衝撃を受けるのではないだろうか。まぁ、その険悪な空気も含めてオモシロ、という風に言われればそうなんだけど、当時の私はそれを受け入れられるだけのキャパシティがなかった。

今回でカーボーイ編は終わる予定だったが、もう少し書きたいこともあるので、それは次回に持ちこし。というわけで、『ラジオ投稿記~爆笑問題カーボーイ編(4)』へと続く。多分、次回でラスト。



当時、ガールのコーナーに送っていたDJ夏美シリーズが youtube に上がってた

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