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カレー

カレーが好きだ。週に3日以上はカレーを食べる。
カレーというのは、毎日食べても飽きることのない素晴らしい料理だと思っている。数字の0よりも、カレーを発明してくれたインド人に、心からの賛辞を贈りたい。

「えー、お母さん、またカレー?」と文句を垂れながらも、おかわりはしてしまう、それがカレー。しばらく食べていないと、急にカレー欲がムクムクと膨れ上がり、自然と足がカレーハウスに向いてしまう。麻薬的に、どうしても体が欲するのである。
体というのは正直で、自分の気持ちとは裏腹に反応してしまうものだ。明美の体もそうだった。そっと腰に指を這わせると、明美の華奢な体はビクンビクンと蠕動して、いやらしく蠢いた。明美は、焦点の定まらない目を私の方に向けると、次の刺激を求めるかのように股間に手を宛てがった。濡れた指先を明美の顔の前に持っていくと、恥ずかしそうに明美は頬を染めた。この、うら若き乙女のような反応は出会った頃から変わらない。さすが良家の令嬢といったところか。

閑話休題

カレーは大体「CoCo壱番屋」で食べる。家から一番近いという単純な理由で。
最初は、キノコカレーやほうれんそうカレーなど、色んなカレーを試してみたが、最終的に『野菜カレーの普通』に落ち着き、基本的に、それ以外は頼まなくなった。最近では、店員の方も気を利かせて、「いつものでよろしいですか?」と聞いてくる。もちろん、良かれと思ってのことだろうが、正直、恥ずかしいのでやめてほしい。恥ずかしく感じるのは、チェーン店だからかもしれない。これが個人経営の食堂とかだったら大丈夫だと思う。
(余談だが、うちの親父もココイチが好きで、働いていた頃は、しょっちゅうココイチに寄っては、一番安いポークカレーを食べていたらしい。最終的に、何も言われなくても、ポークカレーが出てくるようになったとか。その辺りは親子で似てるな、と思った。嬉しくはない。)

こういう風に、同じメニューばかり頼んでいると、色々と弊害も出てくるということに、最近になって気付いた。
まず、上記の通り、店員は完全に私のことを「カレーライスの女」ならぬ「野菜カレーの男」と認識しているため、「こいつは野菜カレーしか頼まない」と思い込んでいる。実際問題、野菜カレーしか頼まないのだから、それは正しいのだが、人間だし、たまには別のメニューを頼みたくなるときもある。

ココイチには期間限定メニューというものが存在する。何年か周期で復活する『グランドマザーカレー』は、(名前だけ聞いても分からないが、ようは野菜カレーに豚肉が入っただけ)「ちょっと肉も食べたいな」というときに頼みたくなる。
で、最近になって、またこのカレーが復活したのだが、これが非常に注文しづらい。いつも、口を開くと「野菜、普通で」しか喋らない客が、急に「グランドマザー、普通で」と言うのだ。店員は、おそらく「こいつ、何者かに脳神経を操られている」と思うだろう。自分が店員だったら、間違いなくそう思っている(そんな店員は社会に出てはいけない)。
こういう事態を避けるため、別なカレーが食べたいときは、極力、自分の顔があまり知られていない店員がシフトに入っている土日の昼間を狙って行くことにしている。しかも、その時間帯だと、深夜と違ってそれなりに混雑しているので、他の客に気を取られて、自分が野菜カレーの男だと悟られることはない(と思う)。全く要らない気苦労だな、と思う。

そのついでに、本当にどうでもいいことを、もう一つ。
ココイチでは漫画のレンタルを行っており、カレーを食べている最中、店内の漫画を1回に2~3冊まで借りて自由に読んでいいことになっている。1話完結型ではないストーリー漫画は一通り読んだので、基本的に普段は「美味しんぼ」を読むのだが、どうしても24巻の『カレー勝負』を取るのに躊躇ってしまう。理由は、店員から「あ、あいつ、カレーを食べてるから、カレーがテーマの回を読んでる」と思われそうで嫌だから。そのため、カレー勝負の巻の上に、別の巻を載せて隠しながら自分のテーブルまで運ぶようにしている。これも全く必要のない気苦労だ。自分の性格が嫌になる。

最後、終着点を見失って、カレーとあまり関係なくなってしまったが、要は「魔法のランプみたいな容器にルーが入って出てくると、ちょっとテンション上がるよね」っていう話。