今週の爆笑問題カーボーイのオープニングトークを聞いて思ったこと

 今週の『爆笑問題カーボーイ』(2021/07/20放送分)で、太田さんが小山田圭吾のイジメ問題ついて語っていた。先週のサンジャポで、自身が小山田圭吾を擁護するような発言をしたことでネットが炎上していることに対し、「いろいろと言葉足らずで誤解を招く表現があった」ということで、言葉を選びながら慎重に自分が本当に言いたかったことを伝えていた。

 番組で話していた内容を1ミリも齟齬が生じないように記事にまとめるのはほぼ不可能に近いので、詳しい内容については実際に放送を聴いてほしいのだが、色々と考えさせられる内容だった。自分が爆笑問題ファンということもあるので、若干のフィルターがかかっているとは思うが、その分を差っ引いても一聴の価値がある放送だったと思う。

 太田さんが番組で長時間に渡って何かを語るときは、リスナーに誤解を与えないように慎重に言葉を紡ぐ。今回もそうだったが、自分の話す内容が本当に適切かどうかを一つ一つ確認しながら、思いを言葉に乗せていた。それは、どれだけ一生懸命伝えても、相手に100%は伝わらないということの裏返しのように思えた。言葉が届かない人というのは、絶対にいる。だが、それでも太田さんは伝えようとする。真摯な姿勢で何度も思いを伝えようとすることで、それを聴いた誰かが「そういう考えもあるんだな」とメッセージを受け止め、新たな考え方が加わった上で自分なりにまたその問題について考え出すことを、多分、太田さんは望んでいるのだと思う。

 太田さんは自分の言い分を無理に通そうとはしない。あくまで、「自分はこういう考えです。あなたはどうですか?」という問題提起をしているだけであって、決して論破しようとはしていない。実際に放送でも、「それでもダメって言う人もいると思うけど、それはそれで構わない」と言っている。自分の考えを相手に正しく汲んでもらった上で、"ちゃんと批判してくれ"ということだろう。これは、言葉の上っ面だけを切り取って、匿名でギャーギャー批判している人に対して言ってるように聞こえた。

 今回の放送を聞いて、「情報が多い時代だからこそ、いろんな考え方を受け入れつつも、ちゃんと自分としての考えを持つべき」と思ったのと同時に、「田中さんは太田さんにカレーパンを買ってくるべきだった」と思った。